疎経活血湯
【頁内目次】…クリックして下さい。写真は中国の色々。
![]() 気滞血瘀・経絡不通の関節痛など/経絡の瘀血 |
【適応症】多発性関節炎、関節症、腰痛症、坐骨神経痛、慢性関節リウマチ、神経痛、筋肉痛、痛風、筋肉リウマチ、脳卒中後遺症、半身不随、脚気、下肢麻痺、漿液性膝関節炎、産後の血栓性静脈炎の疼痛。 |
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【注 意】(Remark)
×残念ながら、胃腸が弱く、食欲不振や吐き気、嘔吐や下痢(泄瀉)などを起こしやすい方は、禁忌(きんき)(服用を避ける)です。 |
【妊娠・授乳の注意】![]() |
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証(症状・体質)判定を望む方 |
中医学の証の解説
中医学(漢方)の治療目的は病邪を取り除き、病因を消し去り、陰陽![]() ![]() |
次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。
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【中薬大分類】祛湿剤…停滞した水液(湿)を除去する方剤です。 【中薬中分類】祛風勝湿剤…風湿による肢体の痛みを治す方剤です。 |
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【気血津液】…人体の生命を支える要素として、氣(qi)・血(blood)・津液(body fluid)の3つがあります。 ●血瘀…血の流れが悪い方が使用します。停滞し変性した非生理的血液の意味で、現代西洋医学的には微小循環系の障害が最も血瘀に近い病態と考えられます。 大まかには静脈系の停滞即ち鬱血に相当しますが、血液粘稠度の増大、凝固亢進、血栓、癒着、繊維化、増殖性病変、瘢痕、血腫などの様々な病態が含まれます。 また、紫斑・皮下点状出血や血管内の凝血(凍瘡など)、DICのような血管内凝固亢進にひき続く出血も血瘀と判断されています。 ●水液停滞…余分な水があまっている方が使用します。津液の停滞のことで、西洋医学的には細胞内液・組織液・リンパ液などが、主として組織間・消化管内・体腔内に異常に停滞したことを意味します。 中医学では湿・痰飲・水腫と呼ぶのが一般的で、日本では水毒ともいわれます。 |
【証(病機)】寒湿兼血瘀(かんしつけんけつお) |
【中医学効能(治法)】 活血止瘀・補血・祛風湿寒・通絡 |
【用語の説明】(term)![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
【出典】
(source)![]() 西暦1587年 明時代 『万病回春』 {龍+共}廷賢 →処方使用期間:421年間 |
![]() 当帰の作用は次の通りです。 ●補血作用…血の機能を高め、身体の栄養分を補います。 ●行血作用…子宮を収縮して、瘀血(流れの滞った状態の血液)を排出したり、子宮の痙攣を抑えます。 ●潤腸作用…腸内の水分不足を改善し、便秘に効果を発揮します。 ●調経作用…月経を調節します。 ●鎮静作用…気持ちを静める作用です。 |
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【治療の特徴】 中医学(漢方)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、 「自然の生薬(herb)を処方した漢方薬を使う」ことです。 生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス(balance)良く循環することが大切だと考えます。 人間の健康は、これら「気」(陽)と「血・津液」(陰)の調和のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。 |
病症・腹診・舌診・脈診について
病症は、この症状に当てはまることがあれば、効く可能性が大きいです。
症例・治例は、クリックして具体的な例をお読み下さい。
腹診は、お腹の切診です。日本漢方でよく使用されます。
舌診は、舌の状態の望診です。証の判定の有効な手段です。
脈診は脈の切診です。脈の速さは、確実に判定できますが、それ以外は難しい技術です。
各説明ボタンをクリックしてお読みください。
●処方名:疎経活血湯(そけいかつけっとう)比較情報 |
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中医学のベースにあるのが、「陰陽五行説」と呼ばれる思想です。「陰陽論」と「五行説」の2つがいっしょになったものですが、どちらも自然や人体の観察から生まれた哲学的な思考法です。
陰陽論では、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」の、対立する2つの要素に分けて考えます。陰と陽は相反する性質をもっていますが、一方がどちらかを打ち負かしてしまうことのないように、常にバランスをとりあっています。自然界では、夜は陰で、昼は陽、月は陰で、太陽は陽、水は陰で、火は陽とされます。また、人体では、「五臓」が陰で、「六腑」が陽、背中が陽で、おなかが陰とされます。こうした陰と陽の分類は絶対的なものではなく、比較する相手によって変化します。たとえば、背中とくらべるとおなかは陰ですが、同じおなかでも上のほうは陽で、下のほうは陰となるといった場合です。
五行説では、自然界のさまざまな要素を「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素である「五行」に分けて考えます。これらの5つの要素には、それぞれ特徴的な性質があります。木はまっすぐ上に伸びる性質、火は燃え上がる性質、土は生み育てる性質、金は変化・収縮させる性質、水は下に流れて潤いをあたえる性質があるとされます。
それぞれの性質によって、五行は、お互いに助け合ったり、牽制し合ったりしながら、全体のバランスを保っています。五行が相互に助け合う関係を「相生」といい、牽制し合う関係を「相克」といいます。人体の「五臓」の間にも、こうした相生や相克の関係があり、五行説の考えかたは診断や治療にも生かされています。
