処方名小半夏加茯苓湯処方名

処方名かな 処方名かな:しょうはんげかぶくりょうとう   | HOME | 小半夏加茯苓湯 |  


【頁内目次】…クリックして下さい。写真は中国の色々。
→HOMEへ(四川省・眉山市・楽山大仏) →中国主治へ(唐山・陶磁器・百子図) →中国臨床應用へ(唐山・陶磁器・壺・1800元) →出 典へ(雲南省・麗江・玉泉公園(黒龍潭)) →副作用へ(安徽省・博物館蔵・「春秋」を読む関羽) →使用目標へ(雲南省・麗江・街並) →中国辨證へ(唐山・皮影戯・三国志・関羽) →生薬一覧へ(雲南省・景洪市・西双版納) →舌診・脈診へ(山西省・平遥県・双林寺・護法神韋駄天像) →合 方へ(山西省・平遥県・平遥古城)
  主治(Mainly treatment)
痰飲嘔吐  
  【中国主治】(Chinese Mainly treatment)
一、痰飲,小便不利。 二、卒嘔吐、心下痞、膈間有水、眩悸者。  
  【適応症】つわり(妊娠嘔吐)、その他の諸病の嘔吐(急性胃腸炎、湿性胸膜炎、水腫性脚気、蓄膿症)、悪心、乗り物酔い、嘔吐、胃部に水分停滞感があって嘔吐するもの。  
  【中国臨床應用】(Mainly treatment)
妊娠嘔吐、各種嘔吐、梅尼爾症候群、急性胃腸炎、胃下垂、?氣、濕性肋膜炎。  
 
中医師 漢方・中医学(Traditional Chinese Medicine)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、 「自然の生薬(herb) »を処方した漢方薬を使う」ことです。
生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液(blood)」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス良く循環することが大切だと考えます。
人間の健康は、これら「気」(陽)「血・津液」(陰)の調和(harmony)のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和(陰平陽秘)していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。
黄帝:三皇五帝時代。夏王朝の始祖。宮廷医師、岐伯との問答形式で記された古典的医学書「内経 »素問」の著者です。日本ではユンケル「ユンケル黄帝液」などと商品名に利用されています。
 
  弁証論治 リンク脾胃の痰 »
リンク肝胃不和(肝気犯胃) »
 
  【中国辨證】(Dialectic)
(1)嘔吐不?。 (2)上逆。 (3)?心,心下痞 (4)眩悸。 (5)尿少。  
  【妊娠・授乳の注意】女性 ●妊娠つわりの軽症・中等症の場合によく使用されます。  
 
  証の判定 判定

証(症状・体質)判定を望む方判定の方右矢印 陰陽(太極図)証の判定メニュー画面へ »
※この判定のために、AI(人工知能)のエキスパート・システムを構築しました。Java

 

中医学の証の解説中医学の証の解説

  中医学(漢方)の治療目的は病邪を取り除き、病因を消し去り、陰陽陰陽(positive and negative principles)のバランス(balance)の乱れを正し、相関する臓腑の生理機能を調和・回復させることです。 中医師 中医学(漢方)の特徴は、身体全体を診るということです。 身体全体の調子(バランス)を整え、病気を治していきます。 ですから、病気の症状だけでなく、一人ひとりの体質も診断しなければなりません。 このときの身体の状態や体質をあらわすのが(しょう)(constitution)という概念です。 この考え方は、西洋医学が臓器や組織に原因を求めていくのとは対照的です。 中医学(漢方)の良さは、薬そのものよりも、証にもとづき人を診るという、その考え方にあります。  
  次の症状のいくつかある方は、本方剤が良く効く可能性が大きいです。 小半夏加茯苓湯 朱雀:四神の獣・南方の守護神  
  【中薬大分類】理気剤…気の運行を調節する方剤です。気の巡りを改善して気滞を治します。
【中薬中分類】降気剤…気の逆流を下降させる方剤です。即ち、気機上逆(気逆)に用います。  
  八綱分類裏寒虚(りかんきょ) 裏 寒 寒 虚 …証(体質・症状)は、一応裏証(慢性症状)、寒証(冷え)、中間証(体力中くらい)、湿証(水分停滞、胃内停水)の方に適応しますが、この方剤は、たいていの、どの証にも対応します。

 
  【気血津液】…人体の生命を支える要素として、氣(qi)・血(blood)・津液(body fluid)の3つがあります。
水液停滞…余分な水があまっている方が使用します。津液の停滞のことで、西洋医学的には細胞内液・組織液・リンパ液などが、主として組織間・消化管内・体腔内に異常に停滞したことを意味します。 中医学では湿・痰飲・水腫と呼ぶのが一般的で、日本では水毒ともいわれます。
 
 
 
  【証(病機)】痰飲、胃気上逆(たんいん、いきじょうぎゃく)  
  女性  男性 女性の使用が多い方剤です。
 
  【中医学効能(治法)】 和胃降逆・化痰利水  
  【用語の説明】(term)
リンク和胃降逆(わいこうぎゃく) »…胃の機能が失調し、気が下降できず嘔吐や吐き気、胃痛が起こったときの治療法です。
リンク化痰(けたん) »…痰を除くことです。
リンク利水(りすい) »…利水;腎を温めて、脾を健全にすることです。尿や発汗のことです。
リンク痰飲(たんいん) »…痰と飲の総称を表現する言葉です。
リンク胃気(いき) »…胃気;水穀を受け入れ、消化して栄養を運ぶ機能のことです。
リンク上逆(じょうぎゃく) »…気が下腹から上部へ発作的に突き上げてくる症状です。
 
  【出典】 (source)出典書籍
西暦250年 三国時代 『金匱要略』 校訂 →処方使用期間:1758年間  
   同じ処方の別製品の一覧を見たい場合は、次をクリックして下さい。 小半夏加茯苓湯・製品集 »
 
  【治療の特徴】
中医学(漢方)における治療の特徴は、「病気そのものにこだわらず、体質の改善によって健康に導く」ことと、 「自然の生薬(herb)を処方した漢方薬を使う」ことです。
生体における「気=エネルギー(energy)的なもの・肉体の機能や働き」、「血=血液」、「津液=体内水分」の3要素が身体をバランス(balance)良く循環することが大切だと考えます。
人間の健康は、これら「気」(陽)と「血・津液」(陰)の調和のもとに保たれています。「血・津液」は、原動力となる「気」のもとで初めて活性化され、全身を循環して五臓六腑に栄養を供給します。 この陰陽(positive and negative principles)が調和していれば、健康でいられますが、陰陽のバランスが崩れると、さまざまな病気が起きてくるのです。  

中薬(成分生薬)中薬(成分生薬)の解説

 
小半夏加茯苓湯の中薬一覧(herb list)
生薬名(herb name) 薬量(quantity) 君臣佐使(role) 効能1 効能2 大分類 中分類
半夏 » 6 君薬 化湿・理気・止嘔・化痰 止咳 化痰止咳平喘薬 温化寒痰薬
生姜 » 2 使薬 化湿・理気・止嘔・化痰 解表剤 辛温解表薬
茯苓 » 5 臣薬 利・止瀉・消腫・健脾 安神 利水滲湿薬
君薬…方剤配合中の主薬で、症状に対して主に作用する薬物です。
臣薬…主薬を補助して主薬の効き目を強化する薬物です。
佐薬…主薬に協力して二次的な症状を取り除くか、または主薬を制御し、主薬による副作用を抑えるか防ぐ薬物です。
使薬…方剤の中では二次的な薬物か、引経(薬物を病のある場所まで引率していく作用)の薬物です。
 
  1.半夏・生姜は、強い鎮嘔・制吐作用をもち、また胃腸の蠕動を調整します(理気・和胃降逆)。また、痰の抑制・鎮咳作用も持っています。胃気を降逆することにより、食欲を増進します。
 
  【中薬構成】(herb composition)
神農

漢方で悪心・嘔吐を止める薬と言えば、何はおいても半夏を考えねばなりません。ところが半夏は、口に入れるといがらっぼくて、著しい不快感を伴います。それで半夏を用いる場合は、必ず生姜を一緒に入れます。そうすることによって、副作用を抑えるばかりでなく作用を助けます。
嘔吐は、漢方医学の考え方によれば、余分な水が胃部に停滞し、それが下にくだらずに吐くのだと考えるのですが、半夏も生姜も茯苓もすべて燥性薬(体内の水分を排泄する薬)であり、半夏と茯苓は降性薬です。茯苓はさらに臍部の動悸をしずめる作用があると考えられておりまして、方剤全体として、悪心・嘔吐で苦しむ場合の鎮静剤と見ることができます。
半夏・生姜・茯苓はすべて補性薬、半夏・生姜は温性薬で、一応裏寒虚証用と見ることができますが、熱寒・実虚にかかわらず、広く用いることができます。ただし、胃内停水があって、悪心・嘔吐のあることを条件とします。

神農:三皇五帝のひとりです。中国古代の伝説上の人といわれます。365種類の生薬について解説した『神農本草経』があり、薬性により上薬、中薬、下薬に分類されています。日本では、東京・お茶の水の湯島聖堂 »に祭られている神農像があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に祭祀が行われます。  

 
●方 解
本方是治因胃?有停水而引起嘔吐之妙方,又是治妊娠嘔吐及各種疾病引起嘔吐不止的常用處方。 方中半夏燥濕化痰,降逆鎮嘔;生薑?中健胃,開結散飲。茯苓與半夏相輔,誘導胃?水停,而使排尿通暢,使飲自小便出。
 

病症・腹診・舌診・脈診病症・腹診・舌診・脈診について

  病症は、この症状に当てはまることがあれば、効く可能性が大きいです。 症例・治例は、クリックして具体的な例をお読み下さい。 腹診は、お腹の切診です。日本漢方でよく使用されます。 舌診は、舌の状態の望診です。証の判定の有効な手段です。 脈診は脈の切診です。脈の速さは、確実に判定できますが、それ以外は難しい技術です。 各説明ボタンをクリックしてお読みください。 ●処方名:小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)比較情報
 
 
【病症】(symptoms) 次の病症どれかのある方に本処方は適合します。 ●悪心、嘔吐。
●心窩部のつかえ感。
●口渇(軽度)。
●めまい、動悸、心悸亢進。
●尿量減少。
●食欲不振。
●倦怠感。
足跡【小半夏加茯苓湯】の症例・治例 »
腹診【腹診】(abdomen) 腹壁軟弱で、胃部心水音(胃内停水)。
↑新しいウインドウで開きます
舌診【舌診】(tongue) 湿潤で白膩苔です。
↑新しいウインドウで開きます
脈診【脈診】(pulse) 沈軟です。
↑新しいウインドウで開きます
 

  【中国藥方加減】(Dialectic)
1.胃?嘔吐:加黨參,陳皮。 2.寒熱錯雜嘔吐:加?連,??。 3.妊娠惡阻:加當歸,川?。 4.食滯嘔吐:加枳殼,神?,麥芽。 5.嘔吐痰水:合二陳湯。 6.嘔吐喜飲:合胃苓湯。  
陰陽五行論 陰陽五行説
中医学のベースにあるのが、「陰陽五行説」と呼ばれる思想です。「陰陽論」と「五行説」の2つがいっしょになったものですが、どちらも自然や人体の観察から生まれた哲学的な思考法です。
陰陽論では、自然界のあらゆるものを「陰」と「陽」の、対立する2つの要素に分けて考えます。陰と陽は相反する性質をもっていますが、一方がどちらかを打ち負かしてしまうことのないように、常にバランスをとりあっています。自然界では、夜は陰で、昼は陽、月は陰で、太陽は陽、水は陰で、火は陽とされます。また、人体では、「五臓」が陰で、「六腑」が陽、背中が陽で、おなかが陰とされます。こうした陰と陽の分類は絶対的なものではなく、比較する相手によって変化します。たとえば、背中とくらべるとおなかは陰ですが、同じおなかでも上のほうは陽で、下のほうは陰となるといった場合です。
五行説では、自然界のさまざまな要素を「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素である「五行」に分けて考えます。これらの5つの要素には、それぞれ特徴的な性質があります。木はまっすぐ上に伸びる性質、火は燃え上がる性質、土は生み育てる性質、金は変化・収縮させる性質、水は下に流れて潤いをあたえる性質があるとされます。
それぞれの性質によって、五行は、お互いに助け合ったり、牽制し合ったりしながら、全体のバランスを保っています。五行が相互に助け合う関係を「相生」といい、牽制し合う関係を「相克」といいます。人体の「五臓」の間にも、こうした相生や相克の関係があり、五行説の考えかたは診断や治療にも生かされています。

区切り
| HOME | 小半夏加茯苓湯 |  

小泉元首相のチャイナ服と江沢民 Copyright (c) 漢方方剤アドバイザー All Rights Reserved. 1998-2008
商号 : ハル薬局(Hal pharmacy) リンク・フリー
個人情報保護ポリシー 個人情報担当者:岩田潤  特定商取引に関する法律に基づく表示
薬局の所在地 : 〒134-0085 東京都江戸川区南葛西4-3-10
TEL:03-3686-5709 FAX:03-3686-7547 e-mail

漢方のツムラです